ミーム:アジアの遺伝子訳がわからないものに期待する、ということについて

2016年08月25日

コンピューターとAIに夢見る幻想について

「コンピューターがあなたにピッタリのお相手を紹介します。」
「コンピューターで合否判定をします。」
「コンピューターに囲まれたバビルの塔に棲んでいる」
「コンピューター占い」

かつて、まだ誰もがコンピューターを万能の機械であると夢見ていた頃、コンピューターによって何かをはじき出すことがありがたがれていたことがある。
大きな筐体がガチャガチャと音を立てながら計算をし、その結果が穴の空いたテープに刻まれている。



やがて、一部の人だけが趣味としてマイコン(マイクロ・コンピューター)という、機械語を直接打ち込む8ビットのコンピューターを使うようになり、さらにそののちマイコンはキーボードとディスプレイを繋げて、機械語よりかは高級言語であったBASICやPASCALなどでプログラミングできるようなものになった。

当時、マイコンを持っていた者はプログラミングができる、ということを意味していた。
プログラミングができなければマイコンは使えなかった。

ここらあたりで僕はマイコンでプログラミングを覚えることになる。

そして、MacやWindowsといったGUIに力を入れたパソコン(パーソナル・コンピューター)というものが出てから、コンピューターは一般的なものになる。
プログラムができなくても、アプリケーションをインストールすることでパソコンは「便利な道具」になる。
ディスプレイに表示されるGUIによって、プログラムの知識なしに感覚的に扱うことができる。

かつて万能の機械として夢見られていたコンピューターは、今では文房具に成り下がってしまった。
そして今では誰も「コンピューターによって◯◯します」などという言葉を売り文句にはしなくなった。

「コンピューターがあなたにピッタリな相手を紹介します」というのは、コンピューターが何か人間には分からないような難しいことを考えて、それに基づいてあなたにピッタリな相手を紹介してくれる、という幻想を抱かせる売り文句である。いやらしい。
これはただ単に、あなたの好みに一番合う相手を大量のデータを持つデータベースから検索をかけて高速に選ぶ、というだけのことで、要するに「大量のデータを高速に扱うことができる」というコンピューターの特徴を活かす、という意味でしかないことは今では誰もが分かっている。
なので最初に挙げた「コンピューターによって◯◯します」という売り文句は、今ではお笑いになってしまっている。

「万能のコンピューター」という夢が破れた人間は、今度は人工知能というものに夢を見るようになる。
かつて「コンピューターによって◯◯します」と言われていたものは、そっくり「人工知能によって◯◯します」に代わっている。

「人工知能があなたにピッタリな相手を紹介します」

ここでは何を「人工知能」と呼んでいるのか、どういう仕組みの人工知能なのか、といったことは問題にされていない。
かつて「コンピューターが◯◯します」と言っていた頃の夢がもう一度やってきただけのことである。

人は常に「よく分からない自分よりも高尚なもの」に何かを判断してもらう、ということを望んでいるのかも知れない。それは占いなどに見られるように、古代から続く伝統である。
あるいはアニミズムと呼ぶべきものか。

いつの日か、「かつて『人工知能が◯◯します』などと言っていた時代があった」と笑い話になる時がくるのだろう。その時にはすっかり陳腐化してしまった「人工知能」という言葉に代わって何らかの新しい言葉(あるいは概念)があり、それが◯◯してくれるようになっていることだろう。

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myinnerasia at 08:04│Comments(0)コンピューター科学 | 虚構

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