できるだけわかりやすく説明してみるという実験:「コンピューターは0と1の世界」っていうけど、どういう意味?できるだけわかりやすく説明してみるという実験:(前回の説明がちょっとアレだったので再実験)遺伝的アルゴリズム

2016年07月06日

非言語的認知モデルはオカルトか?

ニューラルネットにある問題を学習させた時、確かにその学習済みニューラルネットは正しい答えを出力するようになるし、学習時に与えていない問題に対しても正しく答えるようになる(これを"汎化能力"という)。

だが、そのときのニューラルネットの内部の各ニューロンがどういう値を持っているか、というのを調べても、何も分かることはない。

たとえば図形の左右対称性を認識させるためのボンガルド問題を学習させた場合、学習後のニューラルネット内部のニューロンの値を見たところで、「この値が◯◯になっているから左右対称性が認識できるのかー」とはまずならない。ニューラルネットの学習は、ネットワーク全体の相互性の中で答えを導くようになるので、還元主義的な分析には還元できない。
いわば「非言語的な認知モデルを内部に構築した」と言うべきものである。

このことはニューラルネットワークにオカルトな印象を与えることがあるようである。
僕が建築学会でニューラルネットについての研究を発表していた時も、内容を理解できない三流の研究者たちから「こんなものは科学ではない」などという罵声を受けることがあった。
そういうことを言う人の中には、「アンケートによって空間の快適さを評価する」などという研究をしている人もいたから笑える。なんじゃそれ?と当時は思っていた。

ニューラルネットをオカルトであるとするのであれば、むしろそれに乗っかってオカルトとして扱うほうが面白かったかもしれない、と今になって思う。

「人工オカルト」

なかなかいい響きだ。

だが考えてみれば、そもそも「人工知能」や「人工生命」という言葉自体がオカルトである。
「知能」や「生命」を人の手によって創りだすこと。
非生命の物質が知能を持つ。非生命の物質に命を吹き込む。

「人工知能」に可能性があるとすれば、そこには以上の意味においてのオカルトが解である。
還元主義的なアプローチには可能性はない。それはエキスパートシステムが真の意味での「人工知能」を実現できなかったことからも明らかである。 

ただし実用するための「人工知能」ということになると話は反転する。
今現在の人工知能研究がそうであるように、目に見える実用性を求めるのであれば、「知能とは何か?」という根源的な問いはとりあえず保留しておいて、囲碁名人に勝つ人工知能を作ればいいし、Siriとオシャレな会話を楽しんでいればいい。
その場合もおそらくディープラーニングの技術が使われるはずなので、その内部には非言語的な認知モデルが構築されることになるであろうが、「そんなものは科学ではない!」というおバカさんはもういないだろうから。 

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